はじめに
こんにちは、Burdonです。近年、米欧間のテクノロジー企業に対する規制が激化しています。中でもEUが進める「デジタル市場法(DMA)」を軸に、MetaやAppleなどの米ビッグテック企業が数々の制裁を受けてきました。
そんな中、トランプ氏とザッカーバーグ氏の関係改善が報じられ、思わぬ展開が起きています。今回は、EUによるメタへの規制とそれに絡む地政学的な影響を中心に、米欧テック戦争の行方を読み解いていきます。
トランプとの和解で変わるメタの立ち位置
Meta(旧Facebook)は長らくEUから厳しい目を向けられてきました。特にデータ保護や広告運用に関する罰金・調査は後を絶たず、2023年5月には12億ユーロという巨額の制裁金も話題となりました。
しかしここへ来て、トランプ氏とマーク・ザッカーバーグ氏が和解したことで、政治的な力学が大きく変化しています。メタは現在、トランプ氏にEUへの仲裁を依頼しているとも言われており、これがEUの姿勢を緩和させる可能性が浮上してきました。
欧州委員会のジレンマ──制裁か、関係維持か
EUは本来、デジタル市場法(DMA)を通じて自国企業を保護し、公正な市場環境を作ろうとしています。その一方で、アメリカとの摩擦が強まることで自動車業界など欧州経済全体への打撃が懸念されており、強硬姿勢を取りづらくなってきました。
特にメタに対しては、最大で売上の10%にあたる罰金を科す可能性がありましたが、ここへ来て「追加制裁の見送り」や「調査の早期終了」などの選択肢がEU内部で検討されています。これは明らかに、トランプ政権との関係を悪化させたくないという思惑が透けて見えます。
データ問題とサブスクモデル──メタのリスク管理戦略
Metaがヨーロッパで直面しているもう一つの問題が、個人情報の扱いです。WhatsAppやInstagramなどのサービスに対し、GDPR違反で度重なる罰金が科されています。
この状況を受け、MetaはFacebookやInstagramにおける追跡型広告をユーザーの同意制にし、サブスクリプションモデルへの切り替えも進めています。これはEUの規制をかわしつつ、収益構造を維持するための苦肉の策ともいえるでしょう。
Appleや他のビッグテック企業にも波及する影響
Metaだけでなく、AppleやGoogle、MicrosoftもEUとの摩擦が続いています。特にAppleに関しては、ブラウザの設計問題で1.6億ドルの罰金が科された事例もあり、各国の独自対応が目立ち始めています。
こうした中でトランプ氏が再び政権を握る可能性が高まることで、「ビッグテックへの攻撃=トランプへの攻撃」と見なされる風潮が強まり、米企業に対する規制全体が緩和へと傾くのではないかという見立ても出てきています。
まとめ
- MetaがEU規制当局と対立しながらも、トランプ氏との和解で新たな展開へ
- EUは経済への悪影響を懸念し、大規模制裁に踏み切れないジレンマを抱えている
- Appleなど他の米ビッグテックも類似のリスクを抱え、影響が広がっている
- 米欧間のテック規制は、今後の政権交代や外交によって大きく動く可能性がある
おわりに
今回のテーマは、一見テック業界の話に見えて、実は米欧間の地政学的なパワーバランスそのものに関わる問題でもあります。メタが今後どのような立ち回りを見せるのか、そしてトランプ氏の影響力が規制の世界にどう波及するのか、引き続き注目していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の更新でお会いしましょう。
今こそ投資の基本をしっかりと学び直すタイミングかもしれません。
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