はじめに
こんにちは、Burdonです。2025年も半ば、技術の進歩はとどまることを知りません。その中でも特に気になったのが「量子コンピュータと暗号資産の関係」です。
先日、Googleの研究者による論文が世界をざわつかせました。「量子コンピュータで暗号が想定より早く解読可能になる」という衝撃の内容です。一見すると、ビットコインなどの暗号資産が崩壊するのでは?と心配になる話ですが、落ち着いてください。今回はこのテーマを、わかりやすく・不安を煽らずに解説していきます。
Googleの論文が示した「量子脅威」の中身とは?
2025年5月末、Googleの研究者が発表した論文にはこう書かれていました。「RSA暗号の解読に必要な量子リソースは、従来の想定よりも約半分で済む可能性がある」と。
つまり、RSAをはじめとする現在の暗号技術が、量子コンピュータの登場で理論上、より早く破られる可能性があるというのです。
とはいえこれはあくまで理論段階の話。現実にそれを実行できる量子コンピュータはまだ存在していません。
暗号が解かれると何が起こる?
多くの人が「ビットコイン終わった?」と反応しましたが、実はもっと深刻です。暗号が解読されるということは、以下のすべてが危機に晒されることを意味します。
- オンラインバンキングのセキュリティ
- クレジットカードの決済
- LINEなどのチャット通信
- 電子政府や行政サービス
これらはすべて暗号技術によって守られているため、もし突破されれば単なる金融危機では済まされません。
現時点で心配はいらない理由
結論から言えば、まだ心配はいりません。現実には「そのような量子マシンは存在しておらず」、この論文は言わば「未来のタイムマシンの設計図が少し進んだ」レベル。
加えて、世界中の専門機関や企業が対策に動いています。たとえば、アメリカのNIST(国立標準技術研究所)は、量子耐性を持つ新しい暗号「ポスト量子暗号(PQC)」の標準化に向けて研究を進めています。
ビットコインはアップグレードできる
「ビットコインって一度出たら終わりでは?」という声もありますが、実は過去にもアップグレードは実施済みです。
- 2017年:SegWit(セグウィット)
- 2021年:Taproot(タップルート)
量子耐性を備えた署名方式への切り替えも、今後十分に可能です。すでに開発が進むウォレットや署名アルゴリズムも存在しています。
国家レベルでも対策が進行中
これは暗号資産だけの問題ではありません。国の安全保障に関わるインフラ全体が対象です。アメリカ・中国・EUの各国政府はすでに、量子耐性の暗号方式の標準化や導入に向けて動いています。
GoogleやIBM、Appleといった企業もテスト段階に入っており、私たちが気づかないうちにデジタルセキュリティの裏側が強化されつつあるのが現状です。
まとめ
- Googleの研究は「理論的な可能性」であり、現実の脅威ではない
- 暗号が破られると国家の安全にも関わるが、すでに世界中で対策が進行中
- ビットコインも過去にアップグレードされており、今後の対応も可能
- 仮に脅威が顕在化すれば、政府・企業・開発者が共同で対応していく
今の段階で資産を慌てて動かす必要はないと、私は判断しています。
おわりに
技術の進歩はワクワクする反面、時に私たちを不安にさせます。しかし、だからこそ冷静に、正しい知識と最新の情報をもとに行動していくことが大切です。
今回の量子コンピュータに関する報道も、今後のセキュリティと社会のあり方を考える良い機会だと感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました。







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