📌 目次
はじめに
こんにちは、Burdonです。
「海外に移住すれば税金はゼロ」という甘い考えを耳にすることがあります。しかし、実際には制度や国際的な情報共有の仕組みが整い、そう簡単にはいかない時代になっています。
今回は、私自身の投資・資産防衛の経験と調査を踏まえ、海外移住に潜む税務上の落とし穴を整理しました。
資産把握が容易になった現代
マイナンバー制度の導入により、国内資産はほぼ完全に個人と紐付け可能になりました。さらにCRS(共通報告基準)により、海外口座の情報も自動的に日本の税務当局へ共有されます。
これにより、かつて可能だった「海外に資産を隠す」という行為はほぼ不可能になりました。透明性が高まった分、抜け道を探すよりも合法的な税務戦略を考える方が得策です。
歴史が教える資産課税の現実
日本では1946年に預金封鎖と最大90%の財産税が行われました。キプロス(2013)やアルゼンチン(2001)でも、財政危機下で国民資産への課税が行われています。
歴史は繰り返されるものであり、政府は必要とあらば国民の資産に手を伸ばします。そのため、資産防衛には地理的分散や流動性の確保が不可欠です。
出国税とその壁
2015年に施行された「国外転出時課税制度(出国税)」は、海外移住時の大きな壁です。対象は金融資産1億円以上で、過去10年で5年以上日本に居住していた人。
含み益にも課税されるため、現金化していなくても納税義務が発生します。納税猶予制度もありますが、担保や期限条件が伴い、簡単ではありません。
非居住者認定の難しさ
住民票を抜くだけでは非居住者にはなれません。生活の拠点や家族の所在地、経済活動の中心などが総合的に判断されます。
ドバイに住んでいても、日本に家族や事業、主要資産があれば居住者とみなされ、海外所得も日本の高税率で課税される可能性があります。
税制優遇の賞味期限
移住先の税制は永遠ではありません。例えばドバイは法人税(9%)を導入しました。かつての人気移住先だった香港も情勢変化で魅力が低下しました。
税制や政治情勢は変わるため、移住を「一度きりの解決策」と捉えるのは危険です。
移住失敗の実例
移住後に親の介護や自身の健康問題で帰国するケースは少なくありません。子供の教育や文化適応、食事や医療の質への不満など、生活基盤の不適合も多く見られます。
こうした失敗を避けるには、事前の生活シミュレーションや短期滞在での試験移住が有効です。
戦略的な移住のすすめ
永住を前提とせず、「5年間限定」など期間を区切る方が柔軟に対応できます。また、帰国シナリオを同時に用意しておくことが重要です。
特に国際税務に強い専門家との連携は必須。節税目的だけでなく、資産の流動性や法的保護を総合的に考えるべきです。
資産の一部を流動性の高い金融商品に振り分ける際には、mattocoのような多様なファンドも選択肢になります。
まとめ
- マイナンバーとCRSで資産の透明性は格段に向上
- 歴史的にも資産課税は繰り返される
- 出国税は資産規模によっては大きな負担になる
- 非居住者認定には生活・経済拠点の移転が必須
- 税制優遇は永続しないため継続的な見直しが必要
- 移住失敗の背景には生活基盤の不適合がある
- 移住は戦略的かつ柔軟な計画が成功の鍵
おわりに
私自身、海外移住を検討した際に、制度や現実の壁の多さに気づきました。税金ゼロの夢を追うより、合法的で持続可能な資産防衛策を構築する方が確実です。
この記事が、読者の皆さんの冷静な判断材料となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。







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