📌 目次
はじめに
こんにちは、Burdonです。
今回はオルカン(全世界株式)の最高値更新の裏で見逃されがちな落とし穴とリスク要因について解説します。多くの人が「世界中に分散投資できる安心なファンド」として選ぶオルカンですが、実際にはその構造上の偏りや為替の影響によって思わぬ損失を被るリスクもあります。
この記事では、オルカンの現状を踏まえながら、具体的な注意点と正しい向き合い方をお話ししていきます。
オルカンの現状と好調の背景
オルカンは2025年現在も最高値を更新し続けており、年初来で+10%以上の成績を記録しています。5年前に100万円を投資していた場合、運用益は約166万円にも達しており、まさに絶好調の状態です。
主な背景としては、アメリカ経済の堅調さと円安が挙げられます。オルカンは構成銘柄の約65%が米国企業で占められており、ドル高・円安が進むことで日本円ベースでの評価額が上昇しているのです。
オルカン投資の4つの落とし穴
好調なパフォーマンスの裏で、オルカンには次の4つの落とし穴が存在します。それぞれのリスクを理解せずに投資を続けると、将来の暴落局面で大きな後悔につながる可能性があります。
米国依存の実態
オルカンは「全世界に分散している」と言われますが、実態として64.5%がアメリカ企業で構成されています。Apple、Microsoft、NVIDIAなどの大手IT企業が全体を牽引しており、米国市場の動向に強く依存しています。
仮に米国経済が低迷した場合、オルカンも同様に下落するリスクが高いのです。実際、アメリカを除いたオルカンの過去リターンは+26%にとどまる一方、アメリカを含むオルカンでは+178%と大きな差が出ています。
新興国の成長を取り込みにくい構造
オルカンの構成では、新興国の比率がわずか10.3%しかありません。中国3.2%、インド1.9%、台湾1.7%と非常に小さいため、たとえ新興国が急成長しても全体への影響は限定的です。
これはオルカンが「時価総額加重型」で構成されているため、すでに規模の大きい国ほど比率が高くなる仕組みになっているからです。結果として、成長余地の大きい国々の恩恵を受けづらくなっています。
S&P500とほぼ同じリスク構造
全世界に分散しているオルカンの方がリスクが小さいと思われがちですが、実際にはS&P500とほぼ同じ値動きをしています。これは米国企業の比率が高いためです。
過去5年間の比較では、オルカンもS&P500も暴落局面で同様の下落幅を記録しており、下落リスクの差はほとんどありません。それにもかかわらず、リターンはS&P500の方が高いため、「効率が悪い」と評価されがちです。
為替リスクと円高局面の影響
オルカンは為替ヘッジを行わないファンドであり、為替変動の影響を直接受けます。現在の最高値は「円安による押し上げ効果」を含んだ結果であり、円高に転じた場合、株価が変わらなくても評価額が下がるリスクがあります。
特に今後は、アメリカの利下げ・日本の利上げによって円高に動く可能性が指摘されています。これが実現すれば、オルカンの円建て評価額は大きく下落する懸念があります。
長期投資で重要な考え方
これらのリスクを踏まえても、オルカンは長期・積立・分散の基本を実践できる優れた投資対象です。重要なのは「リスクを理解した上でどう向き合うか」です。
- 短期的な円高・円安に一喜一憂しない
- 暴落局面では「安く買えるチャンス」と捉える
- 自分のリスク許容度を超えない範囲で投資を続ける
長期投資は一時的な値動きに左右されない「精神的な安定」が最も重要です。焦らず、自分のペースで積み立て続けることが最終的な成果につながります。
まとめ
- オルカンは全世界分散といっても米国依存が強い
- 新興国の成長恩恵は限定的で構成比率が低い
- S&P500と同等のリスクを抱える構造
- 円高局面では株価が変わらなくても資産が減る可能性
- 重要なのはリスクを理解し、長期で積立を続ける姿勢
おわりに
今回解説したように、オルカンにも見落とされがちな落とし穴が存在します。しかし、リスクを理解しながら長期で積み立てを続けることこそが、最終的に資産形成の正解だと考えています。
私自身も一時的な為替や株価の変動に惑わされず、「続けること」を重視しています。焦らず、腰を据えてじっくりと資産を育てていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。







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