📌 目次
はじめに
こんにちは、Burdonです。
今回は60歳から年金を繰り上げて受給し、それを投資に回す戦略について解説します。表面上は「早くもらって運用すれば得」と見えますが、実際には多くの落とし穴が存在します。この記事では、老後資金の安定性という観点から、この考え方が抱えるリスクを3つの視点で整理します。
繰り上げ受給とは何か
繰り上げ受給とは、65歳からの年金受給を前倒しし、60歳など早い時期から受け取り始める方法です。通常より早く受け取れる代わりに、月あたりの年金額は最大24%減額されます。一方で、繰り下げ受給を選ぶと、受給開始を遅らせる分だけ年金額は増加します。
つまり、「早く少なく受け取るか」「遅く多く受け取るか」という選択になるわけです。これを「投資に回せば得」と考える方が増えていますが、そこには誤算が潜んでいます。
繰り上げ受給を投資に回す戦略の概要
多くの人が検討するのは次のようなシナリオです。
- 60歳で繰り上げ受給を開始し、年金を運用資金として積み立て投資に回す
- 65歳〜75歳まで働きながら投資を続け、老後資金を形成する
- 75歳以降は積み立てた資金を取り崩して生活する
表面的には合理的に見えますが、この「運用に依存する老後設計」には構造的なリスクが伴います。
実は危険な3つの理由
① 投資リスクと不確実性
まず前提として、投資に「確実」は存在しません。年率6%の想定利回りなどは理論上の話であり、現実的には元本割れのリスクもあります。特に60歳以降の投資ではリカバリーの時間が限られており、長期分散のメリットを十分に享受できません。
また、60歳から始めても10年〜15年程度の運用期間しかなく、市場変動の影響を直接的に受けます。計画通りにいかなかった場合、老後資金が大幅に不足する可能性があります。
② 高齢期の判断力低下リスク
投資は継続的な判断を要しますが、75歳を超えると多くの人に判断能力の低下が見られます。これは認知症だけでなく、リスク認識の鈍化や市場変化への対応力の低下も含まれます。
実際、専門家の間では「75歳以降は投資判断を自分で行うのは難しい」とされており、この点を無視した資金計画は極めて危険です。
③ 長寿リスクと生活破綻の危険
日本人の平均寿命は90歳を超える時代。つまり、「100歳まで生きる」前提で計画を立てるべきです。しかし、繰り上げ受給によって年金額が減ると、資金の取り崩しが加速し、90歳前後で資金が枯渇するリスクがあります。
一方、繰り下げ受給を選べば、75歳以降も安定した就寝年金を確保できます。長寿時代において、この「終身の安定収入」は他に代えがたい価値を持ちます。
繰り下げ受給という安定戦略
60歳時点で資金が少ない場合でも、働ける限り働き、75歳まで受給を繰り下げる方が長期的な安定をもたらします。例えば75歳からの受給では月額17万円前後の手取りが見込め、生活基盤が確保できます。
また、インフレ調整機能(マクロ経済スライド)により、一定程度の物価上昇にも対応しています。安心して生活を維持するという点では、投資よりも信頼性が高い選択です。
老後資金設計で意識すべきポイント
- 「お得」ではなく破綻リスクを減らす視点で考える
- 運用前提よりも確定収入の最大化を優先する
- 75歳以降は投資を想定せず、生活基盤の維持を重視する
- 体調・寿命・生活費など、数値化できないリスクも考慮する
つまり、老後の生活を「どう守るか」が最優先であり、「どう増やすか」はその次に考えるべきなのです。
まとめ
- 60歳からの繰り上げ受給投資は、一見お得に見えてリスクが多い
- 運用不確実性・判断力低下・長寿リスクが大きな要因
- 繰り下げ受給により終身収入を安定化させる方が現実的
- 老後資金設計は「安心して暮らせるか」を軸に考えるべき
おわりに
年金の受け取り方には「得・損」で測れない価値があります。私は、老後において破綻しない設計こそが最良の投資だと考えています。国に頼ることを恥じる必要はなく、制度を上手に活用して安心を得る。それが真の資産形成です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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