相場が好調な時ほど落とし穴は深く、暴落の恐怖に直面した時ほど致命的なミスを犯しやすくなります。正しい知識こそが最強の防具です。
こんにちは、Burdonです。
今回は、2026年後半に向けて、新NISAを利用して投資をしている人が絶対にやってはいけない5つのNG行動とその根本的な対策について解説します。
本稿を読めば、なぜ多くの投資家が市場の波に飲まれて資産を減らしてしまうのか、その心理的メカニズムと、荒れ相場でも確実に資産を守り育てるための具体的な生存戦略が明確に理解できるはずです。
NG行動①:市場が最高値圏だからと投資を先延ばしにする
2024年から始まった新NISAを通じて投資を継続している方は、直近の相場変動はあるものの、全体として資産が順調に拡大しているケースが多いのではないでしょうか。一方で、株価指数が過去最高値を更新したといったニュースが連日報じられると、これから始める方や追加投資を検討している方の中には、「今が一番高い時期(天井)だから、もっと下がってから買おう」と二の足を踏む方が非常に多くなります。
しかし、これは資産形成において最も避けるべき行動の一つです。投資の世界において、「高値掴み」を恐れるあまり参入を先延ばしにすることは、結果的に甚大な機会損失を生み出します。過去数十年間の歴史的なデータによれば、市場が最高値を更新したタイミングで投資を始めた場合でも、それ以外のタイミングで始めた場合と比較して、長期的な(10年〜20年単位の)平均リターンにはほとんど差がない、あるいはむしろ高いことすらあるという事実が存在します。
投資の基本は「タイミングを測ること」ではなく、「市場に長く居続けること」です。特に新NISAにおける最大の武器は、非課税メリットそのもの以上に「時間分散(ドルコスト平均法)」と、運用益がさらに利益を生む「複利効果」にあります。今が最高値だからと数ヶ月、数年と待機している間にも、企業は利益を生み出し、市場は成長の機会を探っています。その果実を受け取る権利を自ら放棄することは、長期的な資産形成において致命的な遅れとなります。
「待つ」という行為は、実は「現金という資産に一点集中投資している」のと同じです。機会損失の恐ろしさを正しく認識しましょう。
NG行動②:直近のリターンの高さだけで銘柄を選ぶ
SNSや各種メディアを見ていると、「今年はAI関連株が熱い」「〇〇指数が年初来で50%上昇した」といった華々しい話題が常に飛び交っています。人間は過去の成功体験や直近の急上昇を見ると、「この波に乗らなければ損をする」というFOMO(Fear Of Missing Out:取り残されることへの恐怖)に駆られやすくなります。
しかし、直近のリターンが圧倒的に高い特定のテーマ株や、ボラティリティ(価格変動率)の激しい特定セクターに集中した指数へ安易に飛びつくのは非常に危険です。例えば、特定のハイテク銘柄群に集中投資するような指数は、上昇局面では市場平均を大きく上回るリターンを叩き出しますが、ひとたびトレンドが転換したり、期待値が剥落したりすると、短期間で恐ろしいほどの暴落を引き起こすリスクを内包しています。
| 投資対象の性質 | 期待リターン | 暴落時の下落リスク |
|---|---|---|
| 全世界株式(分散型) | 中程度(安定的) | 市場全体に連動(相対的にマイルド) |
| 特定テーマ・セクター株 | 極めて高い(短期的) | 個別要因で致命的な急落(致命傷) |
「去年大きく上がった銘柄が、今年も同様に上がる」という保証はどこにもありません。むしろ、異常な高リターンの後には、大きな調整局面(下落)が来るのが市場の常理です。投資先を選ぶ際に最も重要なのは、上昇時の派手な数字ではなく、「下落した時に、自分が精神的に耐えられ、投資を継続できる資産クラスかどうか」という点に尽きます。
NG行動③:短期の成績で銘柄をコロコロ乗り換える
前述の「リターンだけで選ぶ」という罠に関連して、投資初心者が陥りがちなのが「成績が良い商品へ次々と乗り換えてしまう」という行動です。自分が保有している銘柄が停滞している横で、別の銘柄が急上昇しているのを見ると、つい「あっちの方が儲かるのではないか」と隣の芝生が青く見えてしまいます。
この行動の最大のデメリットは、結果的に「高値掴み」と「底値売り」を繰り返すハメになることです。話題になってから乗り換える頃には、すでにその銘柄の価格は上がりきっており、乗り換えた直後に下落が始まるという皮肉な事態は頻繁に発生します。
さらに、新NISAの制度上のデメリットも無視できません。新NISAには生涯投資枠(最大1,800万円)が設定されており、商品を売却すれば翌年にはその枠(簿価ベース)が復活する仕組みにはなっています。しかし、短期的な乗り換えを繰り返すために売却と買付を行っていると、その年の年間投資枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を無駄に消費してしまいます。本当に大切にすべきは、市場の流行を追いかけることではなく、最初に決めた分散投資の方針を愚直に守り抜くことです。
短期の乗り換えは、手数料の面でも非課税枠の面でも百害あって一利なし。投資方針のブレは資産形成における最大の敵です。
NG行動④:政治的発言や日々のニュースに一喜一憂する
2026年後半において特に警戒すべきなのが、同年11月に控えるアメリカの中間選挙をはじめとする政治的イベントです。選挙の年や、大国のトップ(例えばトランプ大統領など)の動向が注目される時期は、要人の発言一つ、演説一つで相場が数十%単位で乱高下することが日常茶飯事となります。
「〇〇が関税を引き上げると発言した」「中東情勢に関する過激なコメントが出た」といったニュースが流れるたびに、株価は急激に反応します。時には、その日のうちに暴落し、翌日には何事もなかったかのように反発するという、ジェットコースターのような値動きを見せることもあります。近年、こうしたニュースをトリガーとする「株価ショック」の間隔はどんどん短縮化している傾向が見られます。
ここで私たちが絶対にやってはいけないのは、ニュースアプリの通知やSNSのタイムラインに煽られ、慌てて投資方針を変更してしまうことです。大前提として、2026年後半は「誰かの一言でいちいち相場が動く期間」であるとあらかじめ認識しておく必要があります。市場のノイズに対して、「また騒いでいるな」程度に受け流せる強靭なメンタル構造を作っておくことが、長期投資家としての最低条件となります。
NG行動⑤:相場が下がった瞬間に怖くなって手放す(狼狽売り)
これまでに挙げたNG行動(先延ばし、高値掴み、頻繁な乗り換え、ニュースへの過剰反応)が積み重なった結果、最も悲惨な結末として引き起こされるのが、この「狼狽売り(パニック売り)」です。自分が投資している資産が連日マイナスを表示し、含み損が雪だるま式に膨らんでいくのを見ると、人間の心理は「これ以上損をしたくない」という強烈な恐怖に支配されます。そして、一番安い底値のタイミングで、すべてを投げ打つように売却してしまうのです。
狼狽売りがなぜ最悪の行動なのか。その最大の理由は、「売却した直後に訪れる、急激な反発局面(回復の波)の恩恵をすべて逃してしまうから」です。過去の歴史を振り返ると、2020年のコロナショックなど、市場がパニックに陥り最大級の暴落を記録した時期こそが、実はその後の大相場への転換点(底値)であったというケースが幾度となく繰り返されています。恐怖のピークは、反発の直前であることが多いのです。
加えて、新NISAという制度の特性も理解しておく必要があります。通常の特定口座であれば、投資で損失が出た場合、他の利益と相殺する「損益通算」や、翌年以降に損失を繰り越して税金を安くする「繰越控除」という救済措置が使えます。しかし、新NISA口座内の取引では、これらの税制上の優遇措置は一切適用されません。つまり、新NISAで狼狽売りをして損失を確定させることは、単に資産を減らすだけでなく、税制面のカバーすら受けられない「完全なる負け戦」を意味するのです。
暴落時は「安い価格でたくさん買えるバーゲンセール」と発想を転換しましょう。市場に居続けることこそが最大の防御です。
荒れ相場を生き残るための「3つの具体策」
では、中間選挙などの影響で相場が大きく崩れた際、私たちは具体的にどのように立ち回るべきなのでしょうか。精神論だけでなく、仕組みとして自分を守るための3つの強力なアクションを提示します。
| アクション | 目的と具体的な効果 |
|---|---|
| ① 積立額を絶対に減らさない | 下落相場は、毎月同じ金額で「より多くの口数(数量)」を安く買い集める絶好のチャンスです。ここで積立を止めるのは、自らリターンの源泉を断ち切る行為です。設定はそのまま放置しましょう。 |
| ② 生活防衛資金を再確認する | 投資資金とは別に、生活費の半年〜1年分の「現金」が確保されているか確認してください。強固な現金預金(防波堤)があれば、含み損の画面を見ても「生活には困らない」という圧倒的な精神的余裕が生まれます。 |
| ③ 口座やニュースを見る頻度を減らす | 人間の脳は損失に敏感に反応するようにできています(プロスペクト理論)。証券アプリを開くたびに不安が増幅するため、荒れ相場では物理的にアプリを消す、あるいは週に1回しか見ないといった「情報の遮断」が有効です。 |
著名な投資家ウォーレン・バフェットは、「他人が強欲になっている時は恐れ、他人が恐れている時は強欲になれ」という言葉を残しています。世間が暴落の恐怖に怯え、投げ売りが連鎖している時こそ、長期投資家にとっては資産を築くための最大の仕込み時なのです。
長期にわたる資産形成の道のりにおいて、相場が大きく荒れ狂うことは決して異常な事態ではなく、むしろ「当たり前のイベント」として組み込まれています。重要なのは、目先の価格変動というノイズに惑わされず、あなたが最初に決めた投資方針を淡々と、そして愚直に実行し続けることです。不安や焦りから生じる誤った行動さえ回避できれば、新NISAという強力な制度と「時間」が、必ずあなたの味方となってくれるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。







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